さんかく

テアトルダイヤスクリーン2 ★★★★


写真1、2:劇場に掲示してあったサイン入りポスター。

■男の馬鹿なところ

勘違いはしちゃいそうだが、けれど、あそこまでしつこく桃のケータイに留守電を入れ続ける百ちゃんは、本当に馬鹿なのだった 。映画を観ている私は少しは冷静だから、こんな行動はありえない気もしたのだけれど、桃とキスまでしちゃったのなら、やはりそうしちゃうんだろうか。

で、そんな馬鹿な百ちゃんをいつまでも好きな佳代が、こちらも相当馬鹿なのだけど、だんだんいじらしく思えてくるのは、映画を観ている限りでは冷静な私も、実は(というより当然)馬鹿だったりするわけで……。

最後の方に、百ちゃんがはるばる佳代の田舎を訪ねてきた真相を、佳代に知られてしまう何ともうまい場面がある。二人を前に選択を余儀なくされるようなラストもいい感じだ(ま、実はその直前に百瀬にも自分が大切にしなくてはいけないものは何かはわかるのではあるが)。

この理詰めの展開が効いているのだが、観ている時にそういう印象が少しもないのは、いかにも吉田恵輔監督らしい、と言っていいのだろうか。

百ちゃん、佳代、桃の三人が、三人共ストーカー(桃のは、百ちゃんや佳代に比べれば多少軽症ではあるが)に走ってしまうっていうのもおかしくって、そしてちょっぴり悲しくもある。

 

2010年 99分 ビスタサイズ 配給:日活 映倫:G

監督・脚本・照明:吉田恵輔 プロデューサー: 有重陽一、三浦剛、深津智男、曽我勉 企画:石田雄治 撮影:志田貴之 美術:藤田徹 編集:松竹利郎 音楽:佐々木友理 主題歌:羊毛とおはな『空が白くてさ』 スタイリスト:小里幸子

出演:高岡蒼甫(百瀬)、田畑智子(佳代)、小野恵令奈(桃)、矢沢心(佳代の友人)、大島優子、太賀、赤堀雅秋

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