ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破

新宿ミラノ1 ★★☆


写真1~8:2009年6月28日(日)のミラノ座前。「第3新歌舞伎町宣言」のコスプレイベント。私はただの通りすがり。この日は『ターミネーター4』を観たので。あ、でもちゃっかり『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』のクリアファイルをもらっちゃいました。

写真9~12:こちらは映画を観た日に新宿ミラノ1内で撮った写真。関連商品が沢山。ロビーに展示されていたフィギュア。イベント時にあったものと同じ物だが、零号機ははじめて? だったらちゃんと写真を撮ればいいのに、と言われちゃいそうだけど、ま、そんな熱心なファンじゃないんで。

■未だ不明なり

「エヴァンゲリオン」のことは「ヱヴァンゲリヲン」でしか知らないので、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』の時も混乱しているうちに終わってしまったくらいで(最初だったので今回よりさっぱりだった)、こんなだから私が何かを書いてもロクなものになりそうにない。なので、感想はパスするつもりでいたが、そうすると次作の時にまた混乱してしまいそうなので(一応次のも観るつもり。ここでやめたら馬鹿らしいので)、メモ程度になってしまいそうだが、それを残しておくことにした。エヴァンゲリオンに詳しい人からみたら噴飯ものになっていそうだが、こういう観客もいるっていうことで……。

使徒の正体が不明なのはともかく、それがぽつんぽつんとやってくるのが相変わらずわからない。一気に攻撃したらひとたまりもなさそうなのに、それが出来ない、もしくはそのことに気づいていない理由でもあるのだろうか。相手が人間とは違う思考形態ということも考えられるが、この設定はまるでテレビ放映に合わせているかのようで、でもそれじゃあさすがにおかしいと気づいたのか、今回は多少だが、矢継ぎ早の使徒登場という感じになっていた。

そもそも使徒ばかりでなく、どういう状況に世界がなっているのかということすらなかなか明かにならない。今回で言えば、セカンドインパクトによって海は赤くなってしまい、水族館のような所(海を元に戻すための研究所)で、セカンドインパクト前の生き物を見たりしているのだが、それにしては第三新東京市の日常は、ごくごく普通のもので、防災都市として造られている部分を見ていなければ、とてもセカンドインパクト(というかこれだって?)後とは思えない風景なのだ。

だからシンジたちが学園生活を送っていること自体がまったく現実感のないものなのだが、あまりにも当然のようにそこには日常があるので、どう解釈すればいいのかとまどってしまうのである。

それに、よくぞ第三新東京市を造る暇(余裕と言うべきか。たんなる再建じゃないんだから)があったなと。第三新東京市と称してはいるが、他にもこういうところがあるのか。世界的にはどうなのか。ネルフというのは何でも国連の直属の非公開組織らしいんだが(これはネット出調べたのな)、そんなこと言ってたっけ。で、何で本部が第三新東京市で、シンジの父親ゲンドウが総司令なんだ(ここまで言っちゃったら身も蓋もなくなるが)。

にしては、バチカン条約とやらを急に持ち出してきて、各国のヱヴァンゲリヲンは三体までに制限されているという。各国のエゴがからんでいるらしいのはセリフからもわかったが、でも軍縮で牽制し合っているわけじゃあるまいし、使徒という人類共通の敵に対抗するのに制限……って、そうか、これはヱヴァンゲリヲンが貴重品なため割り当てを決めているだけとか? ってことはネルフの本部があってもそこまでは自由にならないんだ?

これだけ説明が不十分でよく客がついてきているものだと、別のところに感心してしまうが、この不親切さはテレビ時代からのものらしい、って。はぁ。この作品の魅力って、もしかしたら謎だらけだから、とかねぇ。

父親との確執というか、ただ父親に認めてもらいたいだけのシンジがまたまた出てくるのだが、これもなぁ。巻頭の母親の墓参りで「父さんと話せて嬉しかった」ってシンジが言うのだけれど、十四歳の子供が父親にこんなこと言うかしら(たとえ思っても口には出さないんじゃ)。

ヱヴァンゲリヲンの搭乗員が、シンジ以外は女の子って、これもすごい設定なんだけど(職員も女性が多いんだから!)、それぞれが少しずつ信頼関係を築いていって、協力して使徒を倒していって、ついにはシンジとレイとで「初号機の覚醒がなった」のな。はは。裏コードがあったり、エネルギーが切れて活動限界にあるのに動いちゃって、ヱヴァにこんな力があったとは、って驚かれちゃってもですね。ま、覚醒に至る伏線は、巧妙に貼られてはいましたがね。

「世界がどうなっても綾波だけは絶対助ける」って、シンジってこんなだったんだ。けど、異常なまでの綾波レイ人気が私にはよくわからないんで(レイが孤独にしているような部分と「私も碇君にぽかぽかしてほしい」というセリフに違和感を感じてしまうからかなぁ)、シンジの快挙にも「やったぜ」とはならず。

あと、戦闘場面で、三百六十五歩のマーチ、今日の日はさようなら、翼をください、って、ちょっとない発想だよね。曲をリアルタイムで体験してきた身にとっては恥ずかしいだけなんだもの。って、もうこのへんでやめとくわ。あ、でも人類補完計画は? ヱヴァの仮設5号機って? パイロットなしのダミーシステム? ?が沢山過ぎで、未だ不明なり。

  

2009年 108分 ビスタサイズ 配給:クロックワークス、カラー

総監督・企画・原案・脚本:庵野秀明 監督:摩砂雪、鶴巻和哉 キャラクターデザイン:貞本義行 メカニックデザイン:山下いくと 作画監督:鈴木俊二、本田雄、松原秀典、奥田淳 原画:橋本敬史、西尾鉄也、小西賢一、山下明彦、平松禎史、林明美、平田智浩、向田隆、田中達也、高倉武史、朝来昭子、奥村幸子、押山清高、室井康雄、板垣敦、合田浩章、柿田英樹、飯田史雄、桑名郁朗、羽田浩二、松田宗一郎、コヤマシゲト、川良太、上村雅春、すしお、錦織敦史、吉成曜、高村和宏、今石洋之、前田明寿、寺岡巌、高田晃、田村篤、鈴木麻紀子、横田匡史、長谷川ひとみ、鎌田晋平、北田勝彦、黄瀬和哉、前田真宏、庵野秀明、鶴巻和哉、摩砂雪、小松田大全、中山勝一、増尾昭一、鈴木俊二、松原秀典、奥田淳、本田雄 第二原画:松尾祐輔、竹内奈津子、矢吹佳陽子、吉田芙美子、西垣庄子、益山亮司、関谷真実子、茶山隆介、矢口弘子、ジョニー・K、柏崎健太、小磯沙矢香、城紀史、阿部ルミ、平松岳史、岡穣次、井下信重、立口徳孝、松本恵、久保茉莉子、大原真琴、杉浦涼子、竹上充知子、大薮恭平、何愛明、斎藤梢、小野和美、大洞彰子、諏訪真弘、鶴窪久子 撮影監督:福士享 美術監督:加藤浩、串田達也 編集:奥田浩史 音楽:鷺巣詩郎 CGI監督:鬼塚大輔、小林浩康イメージボード:樋口真嗣、前田真宏 デザインワークス:高倉武史、渡部隆、佐藤道明、鬼頭莫宏、あさりよしとお、本田雄、増尾昭一、小松田大全、小林浩康、松原秀典、鈴木俊二、奥田淳、鶴巻和哉、コヤマシゲト、庵野秀明、吉浦康裕、きお誠児、浅井真紀、okama、前田真宏 作画監督補佐:錦織敦史、奥村幸子、貞本義行 色彩設計:菊地和子 動画検査:寺田久美子、犬塚政彦 特技監督:増尾昭一 副監督:中山勝一、小松田大全 デジタル演出:鈴木清祟 画コンテ:鶴巻和哉、樋口真嗣、橘正紀、佐藤順一、山本沙代、増井壮一、錦織敦史、合田浩章、小松田大全、中山勝一、摩砂雪、庵野秀明

声の出演:緒方恵美(碇シンジ)、林原めぐみ(綾波レイ)、宮村優子(式波・アスカ・ラングレー)、坂本真綾(真希波・マリ・イラストリアス)、三石琴乃(葛城ミサト)、山口由里子(赤木リツコ)、山寺宏一(加持リョウジ)、石田彰(渚カヲル)、立木文彦(碇ゲンドウ)、清川元夢(冬月コウゾウ)、長沢美樹(伊吹マヤ)、子安武人(青葉シゲル)、優希比呂(日向マコト)、関智一(鈴原トウジ)、岩永哲哉(相田ケンスケ)、岩男潤子(洞木ヒカリ)、麦人(キール・ローレンツ)

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