第61回二紀展のため、家人と六本木へ。時間が中途半端になってしまったのでロアビルから鳥居坂を下り、また芋洗坂を上って(散歩していると暑いくらいだ)、食事をすませてから、つい先日死んでしまった黒川紀章の遺作?である新国立美術館へ。外観は好きになれない(角度にもよる)が内部は解放感があるし、2つのカフェの配置もいい。
出展者の岡野君からの案内葉書で出かけたのだが、1、3、2階と見てしまったので彼の作品に行き着くまでが大変だった。前回の個展にも行っていないしよくわからないのだが、岡野君の作品は数年前のものに戻っていた。あのへんてこな人物画はもうやめてしまったのか。作風が戻ってくれたのは私には良かったのだけれど、最初の時のような驚きはなかった。
大学生の頃はわりと頻繁に美術展に出かけていたのだけれど、ある時急に自分の好きな絵があまりにも少ないことに気づいて、それ以来大掛かりな展覧会にはほとんど出かけていなかったのだが、今回は面白かった。あまりにも久しぶりということもあるが、出展作品の絵が、総体としては昔とまったく違っていて、絵に対して少し無頓着すぎたかな、とも。絵はうまいのかもしれないけれど工夫のない退屈な風景画や静物画というのが昔は山ほどあったが、あらかた姿を消していたからかなぁ。彫刻もよかった。
絵も彫刻も、作者の執念のようなものが詰まっているようなものが多くて、それがある種の迫力を生んでいるのは確かなのだけど、私にはそれが鬱陶しい時があるのだな。イラスト程度の軽やかさが好きなのだ。でもそれ以前の、素人が直感でみても面白いものが多くて、ずいぶん楽しんでしまった。
なのに足がね。椅子を見つけては座ってばかりいた。お茶したら足は回復したけれど、でも東京ミッドタウンには足を踏み入れずに帰ることにした。家人もリウマチは薬で止めているだけだし。
清澄白河に着くともう暗くなっているではないか。夕闇+日没は、色彩的には好きなのだけれど、駅から出た時に暗いと、やな季節、と思ってしまう。
17時過ぎに家に戻るがPCをチェックしたら錦糸町の映画の時間がぴったりだったので、今度は1人で出かけた(家には20分くらいしかいなかった)。
楽天地シネマズ錦糸町-4で『キングダム 見えざる敵』。食事後、楽天地シネマズ錦糸町-3で『自虐の詩』も観てしまう。 |