宮部みゆき『火車』(新潮文庫)読了。
佐高信も解説で触れていたが、新城喬子が父親の死を願いながら官報を調べる部分(456ページ)では倉田の想いとのからみで、読み進むのがしばし辛くなった。
ここがこの小説のハイライトなのは間違いないのだが、ここのすぐ前で彼女には法的には支払義務がないと書いている(454ページ)のだから、父親の死を確認し相続放棄に進んだとしても状況が変わるとは思えない。それともそこまでやれば相手もあきらめると踏んだのか。もう少し説明が欲しい。
『火車』の単行本は平成4年7月(双葉社)とあるが、政府が灰色金利の廃止に動き始めたのは今年になってからだからねー。弁護士にクレジット産業の内幕を語らせる部分は長すぎるのだが、これだけ語らしても、そして本がベストセラーになっても、影響力としてはまあこんなものなのかも。
サラ金を目の敵にし、CMに出て片棒を担いでいるタレントまで嫌いになってしまう私だけど、本を読んだ後でさえ「多重債務を抱えるのは、やっぱり本人に何らかの欠陥や欠点があるからなのだ」と、まだ少しは、思ってるのな。
自転車で上野東急へ。地下鉄できた家人と『不撓不屈』を観る。
エレベーターで3階に行くと人が溢れている。入口には開場は10分前と書いてあるが、開けるべきだろう。ん、人がいないのか。蒸すし、このまま人が増えたら危険じゃないか、と全員?が思い始めたころ劇場の人がやっと上がってきた。ここがこんなに混む(だからって立ち見というわけではないが)ってことがまれなのかしらね。
終ったら小雨。太昌苑で焼肉ランチ。あとでサラダを持ってくると言ったきりなのでウエイトレスに訊くが、これがまた梨の礫。結局別のウエイトレスに頼んだらすぐ出てきた。そりゃそうだ、サラダなんだから。先に配膳のあった家人の方はもう終ってしまってたけどね。
独りで浅草橋のシモジマへ。セロテープや名刺整理箱など購入。雨は上がったが荷物があるので、寄り道せず帰宅。
一休みしてPCに向かうが、猛烈な睡魔がやってきて、すぐ中止。が、横になってもなかなか眠れず、本ばかり読んでしまう。と思ってたけど、あれ、1時間近くは寝てた? |