テアトル新宿で『狼少女』。
レイトショーはきついと思っていたら限定でモーニング、これはチャンス程度のノリで観たのだけど、素晴らしかった。題材も配役も地味だから普通の公開は難しいのだろうが、なんとも残念だ。
子供が主役の映画には、もどかしさがつきまとう。自分たちではどうすることもできないもどかしさ。この映画もそういう瞬間をいくつも見せてくれるのだ。
レトロな昭和が舞台だが、それは見せ物小屋が話に欠かせない存在になっているからで、時代がそれほど重要な要素というのではない。だからそこを強調されると、『ALWAYS
三丁目の夕日』のようなCGではないから、心配になるところがいくつもあった。
映画終了後に舞台挨拶。昔は運が良ければ遭遇できた舞台挨拶だが、最近はものすごい人気で、だから、つまり知名度が低いってことかしらねー。監督と6人の子供たちが舞台に登場してくれる。
監督の深川栄洋が若くてびっくりした。76年生まれでは、昭和が描ききれていないのも実写のせいばかりではないと納得。ま、そういってしまうと『ALWAYS
三丁目の夕日』の山崎貴も64年生まれなんだけどね(でも、さらに一回りも若い!)。
子供たちには中2から小3までを集めて配役したという。同年齢でもすごく巾があるように感じていたからという話だったが、なるほどそう言われてみるとそうだったな。
新聞配達や凧揚げが大変だったという子供たちの撮影裏話が微笑ましかった。
舞台挨拶の関係で次の映画の上映は予告編なしに。その間にハンバーガーを買いに走る。
『スクールデイズ』は話も映像も凝っていて、観ているときはいいのだが、でも面白いというのではないんだな、なんかはずしている感じで、だから、終わってしまうと???
いじめられっ子が熱血先生にあこがれるというのはわからなくはないけど、それを中心にして話が展開されてもなー。コメディにしては妙にシリアスだったりもするし、結局私とは感覚が違うってことなんでしょうか。
シネマミラノまでゆっくり歩き、『銀色の髪のアギト』。
絵的にはまあまあなのに、話が無茶苦茶。出だしこそ快調だった(これもあとから考えるとおかしい)が、その後の展開はひとりよがりで物語にまるで説得力がない。登場人物の行動だけでなく、壮大?な世界観も、もっともらしいことは言ってるが、軍事国家、中立国、森のそれぞれの対立軸すら明確でないという有様。
そもそも全体のイメージからして『ナウシカ』『やラピュタ』『やもののけ姫』、果ては『アキラ』の寄せ集めに見えてしまうというのがなー。
これはどこかに連載されていた作品なんだろうか。そのダイジェスト版というのならまだしも(それでもひどいか)、最初から最後までこんなに文句が言いたくなるというのも珍しい。
紀伊國屋画廊の「安野光雅展」をのぞいたあと、本売場へ。検索機でうまく本が探せない。何故だ。いつもは著者名で検索していたからね。でも名前が読めないのだ。で、他の手がかりで。大きな出版社くらい一覧から選べるようにしてくれてもよさそうなものだが、でもそれじゃ依怙贔屓か。途中で面倒になってやめ。
陽気のせいか、暖房がききすぎで、空調の吹き出し口の下では本を見ている気になれなかった。検索がいやになったのもこのせいか? もう帰ろう。 |