中途半端な予定しか立てないでぐずぐずしていたら、見ようと思っている映画は初回がすべて間に合わない時間になっていた。それじゃあ、先に掃除を済ませ昼は新宿で食べてから映画、と家人と新算段。
シネマミラノで『チルソクの夏』。前の回で舞台挨拶があったらしく、関係者の席が用意されていた。だけど、空いているとはいえ、そのままにしておくことはないと思うがねぇ。
私が見た回は空いていたのに、次の回は劇場の外にまで列ができていた。この落差は? 小さな劇場だとこういうこともあるのだろう。そのため、帰りはいつもと違う階段に誘導される。シネマミラノにはもう何度も来ているが、こんな立派な内階段(非常階段)は知らなかった。
映画は予告編の印象から稚拙なものと決めてかかっていたが、始まったら単純に楽しんでいた。青春映画なんだけど、おじさんおばさんの青春映画で、私にもそんなには遠くない世代の話だからかもしれない。主人公たちを通して昔の自分が、別の形ではあるが見えるときがあった。けれど、気恥ずかしくはなく、のびやかですがすがしい。
日本と韓国にある差別や韓国の歴史的状況が、必然的背景になっているが、そこにも気負いは感じられない。どうしたらこんなに素直な映画がつくれるのかと感心する。
家人は下関の出身なので、単純に喜んでいた。私の知っている場所もいくつも出てくる。それだけで身近な気持ちになれるのだが、反面、あの頃あそこはあんな景色ではなかったよ、とかの雑念も。
次に見るつもりだった『タイムリミット』は、『恋愛適齢期』のあとの2回上映になっていて時間があわない。人が入らないんだろうな。てことは今日見逃したらもうおしまいか。まあ、それはどうでもいいんだけど、でも朝わざわざ、東急レクリエーションのホームページをチェックしたんだけどな。そういえば楽天地でもつい最近同じようなことがあった。興行側のホームページに対する認識が低いのは本当に困る。
家人が先に帰り一人になったので、先週見つけた1000円の散髪屋に行って時間をつぶすことにした。もっとも正味10分だから、往復とブラブラ散歩をしても、って私の散歩はすぐ横道に入ってしまったりするので、映画館へ戻る道は早足でないと間に合わなくなっていた。
ミラノ座で『オーシャン・オブ・ファイアー』。
見所は、ラストの野生馬の群を撮したシーン。ここは美しい。ってこんなところを褒めているようではね。
まずなにより、レースの、結末の付け方がひどい。レースものだからこれは致命傷だよね。他にも不満はあるが、あと一つだけ。インディアンの血を引く主人公が、アラビア砂漠に乗り込み馬で砂漠を横断するレースに参加するのはきわめて現代的な側面であるのに、対インディアンの反省にとどまっているのは残念としか言いようがない。
映画館を出たら、ぴあのアンケートを頼まれる。だいぶ前にも一度答えたことがあるが、総合評価を点数で、あとストーリー、演出、音楽と採点させられるのは変わっていないようだ。しかし、こういう風に細切れに聞かれても、映画を見て感じた一番大切な部分は抜け落ちてしまうんだがなぁ。
あと、次に見たい映画も聞かれたが、これまたすぐに答えられず困った。今日みたいに見る映画をいい加減に決めてる人間には答えられないんであるよ。
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