マンマ・ミーア!

2009年3月14日 土曜日

新宿ミラノ3 ★★

■結婚式(映画もか)を横取り!

70年代半ばから80年代初頭にかけて活躍したABBAのヒット曲に乗せておくるミュージカル。

ノリのいいABBAの曲は、私のように音楽には詳しくない人種(注1)にも耳に残っているものがいくつかあって、だからそれだけで十分楽しめそうな予感はしていた。一方で、ヒット曲を集めてミュージカルになるのだろうか、とも。しかしながら、欧米(ABBAは北欧だが)のポップスの歌詞には単純なものが多いので、今回のようなミュージカルも出来てしまうのだろう(一部は劇中のショーにして誤魔化していたが)。

物語は、ギリシャのとある島に住むソフィという結婚式を控えた女の子が、ママ(のドナはこの島で小さなホテルを経営している)の若き日の日記を盗み見したことで、会ったことのないパパに結婚式のエスコートをしてもらおうと(なんて可愛らしい望みなんでしょう! ま、それは派生的なものにすぎないにしてもさ。だってどんな男かわかったもんじゃないだろうに)、ママには秘密で呼び寄せるのだが、パパ候補は3人もいて、という仰天話。

そんな馬鹿らしい話にみんなで大騒ぎして、という内容だから目くじらを立てることもないのだが(そう思っても、すぐ次の曲が始まってしまうんだよなぁ)、ソフィと婚約者のスカイが結婚式の前にちょっとした諍いになって、でもそのまま式に、という部分は、まだ気になっている。だから最後に結婚式がとりやめになってしまっても、そんなには気にしていないのだろうか。中止が2人での旅立ちに形をかえたみたいなものだから何の問題もないのかもしれないが、どうにも釈然としない。

だいたいスカイは、影も薄いのだな。ソフィもドナもそれぞれ友達2人を助っ人にしている(特にドナの2人は強力)し、パパ候補もサム、ハリー、ビルの3人組(注2)だからってこともあるのだけれど。

ドナはいきなり現れた3人の登場にあわて、そしてお気楽パパ候補(という認識がなかったんだものねー)たちは、もしかしたら自分がソフィの父親かも知れないということにやっと気づく(ソフィは招待状をママの名前で出している)。

サムが、何故ソフィを島に縛ろうとするのか、とドナに言う場面があって(むろんこのことは、ドナが望んだというのではないのだが)、このことからソフィとスカイの結婚式がサムとドナの結婚式に取って代わってしまうという大団円になっていく。いやはや。まあ、ミュージカルなんで。

ソフィが主導していた話なものだから思い違いをしてしまったが、主役は途中からはドナになってるし、結局、中年向けの映画だったようだ(だからABBAなんだ。そっか)。けど、結婚式まで横取りって、まあ残りの人生が少ないだけあって中年(初老?)が一旦恥も外聞もなくやり出したら止められないのだな。

しかし、だったらもう少しは、ドナやサムが何故今に至ったのかをちゃんと描いてもよかったのではないか。でないとドナのは若気の過ちにしては節操がないし、当時すでに婚約していたサムの行動もドナ以上に節操がなくて、ピアース・ブロスナンはラジー賞の最低助演男優賞に耀いたそうだけれど、この役の設定だと、演技以前にそうなんだもの(彼の歌声もちょっとね)。

『今宵、フィッツジェラルド劇場で』でも聞き惚れたが、メリル・ストリープの歌いっぷりはなかなかだ。とはいえ私的には演歌のようには歌い込まないでほしいのだが。ジュリー・ウォルターズとクリスティーン・バランスキーもそれなりに分をわきまえての大活躍。それに比べると男優陣は見劣りがする。コリン・ファースとステラン・スカルスガルドは何しに島へやって来たんだろ。

注1:曲よりもABBAの2番目のBの字が反対向きだったことの方を思い出してしまう口なので。

注2:この3人は本来なら恋敵ということになるが、なにしろあまりに昔のことだし、それに実際に反目し合っていたわけではなく、互いに相手のことは知らないのだな。

 

原題:Mamma Mia!

2008年 108分 イギリス、アメリカ シネスコサイズ 配給:東宝東和 日本語字幕:石田泰子

監督:フィリダ・ロイド 製作:ジュディ・クレイマー、ゲイリー・ゴーツマン 製作総指揮:ベニー・アンダーソン、ビョルン・ウルヴァース、リタ・ウィルソン、トム・ハンクス、マーク・ハッファム 脚本:キャサリン・ジョンソン 撮影:ハリス・ザンバーラウコス プロダクションデザイン:マリア・ジャーコヴィク 衣装デザイン:アン・ロス 編集:レスリー・ウォーカー 振付:アンソニー・ヴァン・ラースト 音楽:ベニー・アンダーソン、ビョルン・ウルヴァース 音楽監督:マーティン・ロウ 音楽監修:ベッキー・ベンサム

出演:メリル・ストリープ(ドナ)、アマンダ・セイフライド(ソフィ)、ピアース・ブロスナン(サム)、ジュリー・ウォルターズ(ロージー)、クリスティーン・バランスキー(ターニャ)、コリン・ファース(ハリー)、ステラン・スカルスガルド(ビル)、ドミニク・クーパー(スカイ)

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