シュレック3 日本語吹替版

2007年7月29日 日曜日

新宿ミラノ3 ★★☆

■昔々、誰かが僕たちをこんなにした

1、2作目を観ていないので、比較も出来なければ話の流れもわかっていないのだが、シュレックはどうやら2作目の活躍(?)で王様代行の地位を、このおとぎの国で得ていたらしい。もっともシュレックが王様代行としてふさわしいかどうかは本人が1番よく知っていることで、何しろシュレックは怪物らしいんだが、そしてこれは多分3作目だからなのだろうが、せいぜい見た目が緑でごっつくて息が臭いくらいでしかなくって、そう、すでに人気者なのだった。

とにかくシュレックが何者なのかも、ドンキーと長靴をはいた猫が何で彼の部下となっているのかもわかってなく、怪物なのにヒーローで、結婚したフィオナ姫(シュレックと同じ怪物なのに蛙国王が父!?)までいるんだ?と、一々ひっかかっていてはどうしようもない。

だから楽しめなかったかというとそんなことはないのだが、残念なことにシュレックにそれほど親近感が持てぬまま終わってしまったのは事実。

蛙国王ハロルドの死(死の場面で笑いをとってしまうんだからねー)で、いよいよ王位に就くしかなくなったシュレックは、フィオナ姫の従弟のアーサーという王位継承者の存在をハロルド王から聞いたことで、アーサー探しの船旅に出、ある町の高校でアーサーを見つけだす。

このアーサー、円卓の騎士(アーサー王伝説)からの命名らしく、ライバル(恋敵でなくいじめっ子)はランスロットで、かつて魔法を教えてくれていたのがマーリンというヘンな元教師(魔術師という設定は正しいが、彼には別の場所で会う)。ただ、円卓の騎士の話は名前だけの借用で、話が関連してくるでもなく、アーサーはまぬけな臆病ものでしかない。

一方、シュレックが王になっては面白くないチャーミング王子は、おとぎ話で悪役や嫌われ者になっている白雪姫の魔女やシンデレラの継母にフック船長などにくすぶっている不当な扱いや不満をすくい取り、シュレックがいないのを狙いすましたように反旗をひるがえす。

チャーミング王子が自分勝手で狡賢いヤツでなければ、彼らの想い(昔々、誰かが僕たちをこんなにした)に応えるこの発想は捨てたものではないのだが、自分が注目されたいがために、所詮はおだてて利用しようとしているだけというのがねー。てっきり子供向けだから単純な設定にしておいたのだろうと思ったのだが、白雪姫やシンデレラたちをちょっと鼻持ちならないキャラクターにしたりと、手のこんだところもみせる。で、髪長姫にはチャーミング王子に協力するという裏切りまでさせているのだ。

ただそのチャーミング王子は、巨大劇場での自己満足演目に浸りきってしまう幼稚さだから、シュレックが旅から戻ると一気にその企ても崩れ去るのみ。おとぎの国の悪役たちも、アーサーが王らしい訓示を垂れれば(シュレックの受け売りなんだけどね)、武器を捨ててしまうのだから、あっけないったらありゃしないのである。

映画全体にあるこの生温さは、怪物として機能する必要がなくなってしまったシュレックにありそうなのだが、なにしろ1、2作を観ていないのでいい加減な感想しか書けないのは最初に断った通り。CGは見事だし、ほとんどお馴染み顔ぶれが繰り出すギャグも1作目から観ていたらもっと楽しめたと思うのだが、とにかくシュレックのヒーローとしての際立った魅力がこの3には感じられないのだ。王様になることを恐れたり、生まれてくる赤ん坊の悪夢を見ていたというような印象ばかりではね。

 

【メモ】

最近の日本語吹替版ではあたりまえのようだが、タイトルやエンドロールも日本語表記のもの。アニメなんだから私なぞ日本語吹替版で十分(むしろこの方が楽しめるかも)。

原題:Shrek the Third

2007年 93分 シネスコサイズ アメリカ 配給:アスミック・エースエンタテインメント、角川エンタテインメント

監督:クリス・ミラー 共同監督:ロマン・ヒュイ 製作:アーロン・ワーナー 製作総指揮:アンドリュー・アダムソン、ジョン・H・ウィリアムズ 原作:ウィリアム・スタイグ 原案:アンドリュー・アダムソン 脚本:ピーター・S・シーマン、ジェフリー・プライス、クリス・ミラー、アーロン・ワーナー 音楽:ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ

声の出演(日本語吹替版):濱田雅功(シュレック)、藤原紀香(フィオナ姫)、山寺宏一(ドンキー)、竹中直人(長ぐつをはいた猫)、橘慶太(アーサー)、大沢あかね(白雪姫)、星野亜希(シンデレラ)、光浦靖子(髪長姫〈オアシズ〉)、大久保佳代子(眠れる森の美女〈オアシズ〉)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です