回文って? えーっと、だから反対から読んでも同じ読み方が出来る文のことだよね、多分。ホラ、子供の時「トマト」とか「新聞紙」なんて言い合いながら遊んだじゃない。でも子供だから、その後がもう続かなくってさ。え、何、それは文じゃないって。そう言われてみると……。ハハ(汗)、困ったな、こりゃ。
 ということで、困った時の辞書頼み。で、まずは由緒ある広辞苑の第一版から。
 かい−ぶん【回文】(1)回状。回章。(2)和歌・漢詩・連歌・雑俳で、上から読んでも下から読んでも同音のもの。回文歌・回文詩・回文俳諧・回文連歌などの称がある。かいもん。めぐらしふみ。
 エー! 何これ。ぼくが言ってるのはこんな格調高いヤツではなくって……でも、ちゃーんとあるんですね。回文歌とか回文詩というものが。そういえば、昔朝日新聞の天声人語に回文の短歌を作っている人が紹介されていたことがあったけど、それはそれは立派なものでしたね。だけど、あまり素晴らしすぎて、自分では出来っこないと思ってしまったんだよね。だからものすごく感心はしたんだけど、それだけで終わっちゃって。
 それにしても辞書が少し古すぎたかもね。じゃあ、同じ広辞苑の第四版を……。
 かい−ぶん【回文・廻文】(かいもんとも)(1)回覧用の文書。回状。回章。まわしぶみ。めぐらしぶみ。(2)和歌・連歌・俳諧などで、上から読んでも下から読んでも一詩をなすもの。回文対は上の句から読んでも下の句から読んでも同意の構成

 

になる対句。→宝船
 何だ、あんまり代わり映えしないな。それどころか、「同音のもの」が第四版では「一詩をなすもの」に格上げされてしまっている。ぼくの「くだらな回文」は、広辞苑では「回文」扱いされないらしい。……しょうがない、「宝船」も調べてみるか。  
 たから−ぶね【宝船】正月の初夢を見るために枕の下に敷いた縁起物。御宝(おたから)。多くは、米俵・宝貨を積んだ帆掛船の絵に七福神を描き、「ながきよのとをのねぶりのみなめざめなみのりぶねのおとのよきかな」の回文歌(かいぶんうた)などを書き添えた。〈季・新年〉
 ふーん、分かりましたとも。回文歌か。やっぱりすごいね、これは。芸術作品だよね(と言いつつ、意味がイマイチ分かっていない)。しかしこれじゃぁあね。ちょっとうんざりしてきちゃったな。
 お次は、新明解国語辞典(第五版)か。
 かい ぶん【回文】(1)〔三音節以上で綴られる言葉で〕かなの字順を逆にしても、もとの綴りが得られる言葉。例、「逆さ・田植え歌・たけやぶやけた」。(2)「回覧状」の意の老人語。
 最初から使い慣れた辞書をあたればよかったのに、つい格好付けて広辞苑など持ち出すから、ややこしいことになってしまって……。そうです、これでいいんです。しかも文でなくただの単語でもOKというのがうれしい。
 ということで、だいぶ回り道をしたけど、これで安心して「サンダルダンサーのチンプン回文劇場」をオープンできるってわけだ。


 回文についての大まかな説明は、新明解国語辞典の通り。面 倒臭いので他の辞書を調べるのはもうやめにした(というか、そんなには辞書が手元にないのだ)。
 ただし、回文の作成上の定義(?)となると、けっこうやっかいな問題がある。
 例えば、「は」と「わ」などの同音文字や濁音、半濁音、促音、長音(音引き)の扱いをどうするかだが、とりあえず厳密な規制は設けないことにした。つまり、基準はかなり甘くしてある。そうしないと、極端に作品が減ってしまうからだ(自分に甘いってことね)。
 ただし、当たり前のことだが、これらの読み替えや長音の省略や母音化が多くなると、回文としての価値はやはり下がってしまう。これは基準を甘くした作者も一番感じていることだ。作っていてこれはちょっとズルイかなぁ、と思うことがよくあるし。
 ぼくの回文は、気持としては、単純で楽しいものを目指しているんだけど、能力の問題も当然あって、やたらひねくり回したり強引にまとめては、訳の分からないものが出来てしまうのだ。
 回文のそういう不条理というかアーナキー(?)な魅力は、それはそれで捨てがたいのだが、基本的

 

には単純で楽しく、できればなるべく意味の通じるものにしたいと思っている。
 だけど、意味が通じたからといって面白くないのもね……。楽しくないし。これに関してはイラストの手助けを借りるという奥の手があって、「イラスト大募集」の所にそれについての趣旨を書かせてもらった。
 また、勝手なようだが、回文の著作権ということにもこだわらないことにした。土屋耕一の「軽い機敏な子猫何匹いるか」のように、有名で、ぼくの頭にすでにインプットされてしまったものは当然載せるべきではないと思っているが、簡単なものは誰でも考えつくし、それを気にしていたら何も出来なくなるからだ。もっとも「回文とは」に書いた回文歌のような格調高い作品になってしまうと、ぼくには作れそうもないので、そんな心配は杞憂なんだけど。単語回文?となると、そうはいかないしね。で、これに著作権なんて言われてもどう対処したらいいのやら、なんである。
 この考え方には異論もあるだろう。ご指摘などあれば、再考することになるかもしれないが、ともかく今のところこれ以上は深くは考えられないので、まずはスタートしてしまうことにした。


 ぼく「サンダルダンサー」は、なかなかイラストが描けません。はじめに掲載出来るのは、以前年賀状に使ったことのあるイラストの3枚だけです。で、この後もいつになったらイラストが付けられるか、分からない状態です。
 そこでお願いなのですが、ぼくの回文にイラストを付けてはくださらないでしょうか。どの回文でもかまいません。すでにイラストがあるものでも、あなたなりの解釈でぼくの回文を飾って欲しいのです。ですから、もし回文にぼくのコメントがあったとしても、気になさらないでください。あなたの料理次第で、たいした意味のないみすぼらしい回文も、傑作に生まれ変わるのではないかと期待しています。
 という理由(実は回文がうまくできなかったという弁解も大いに含まれているのですが)で、単純な回文も「作品集(回文の一覧)」には載せることにしました。繰り返しますが、拙い回文もイラストの力によって、魅力ある回文に生まれ変わってくれるはずですから。

 

イラストの送り先と決まり
 kaibun@m-s-c.cc
 イラストは上記アドレスまで添付ファイルにてお送り下さい。添付ファイルは画像のみとし、コメント等は、メールの本文にお書きください。メールの件名は「回文のイラスト」とし、どの回文のイラストかが分かるようにしてください。画像はGIFかJPEG形式でお願いします。
  作品は現物を直接送っていただいてもかまいませんが、スキャナで取り込むためA4サイズ以下、できればハガキサイズくらいで作るようにしてください。
 ハンドルネーム(もちろん実名も可)もお忘れなく。HPやメールアドレス等を公表してもかまわないという方はその旨書いてくだされば、イラストと共に掲載させていただきます。
  ただし、大変心苦しいのですが、謝礼はありません。それとイラストの内容によって(あまりに過激で目に余るような場合)は、掲載を見合わせることがあるかもしれません。


 以前(02年3月まで)は、回文の募集はしていませんでした。というより、回文は送ってきてはならぬ と禁止令を出していたンです。が、諸般の事情により解禁せざるを得なくなってしまいました。横暴な恐怖政治をしいているわけにもいかなくなってしまったのでした。トホホ。
 時代が変わった、ってことかいな。とはいえ、やむなく解禁、あるいはいやいや解禁であることをお忘れなく。

 

 と書いてみたけど、ただのグチだね、説得力もなーンもありやしない。
 やっぱりこれからは回文の楽しみを皆さんと共有していかなければいけないのだ、と。あ〜残念。こんな面 白いものを独り占めできないなんて。くくく。
 というわけで、回文の投稿もよろしく(?)。作品はメールにてお寄せください。


↓回文の投稿を解禁する前にここに載せていたもの(未練たらしく残してある)

 これは、していません。
 何故かというと、ぼくの楽しみがなくなってしまうからです。
 ぼくの作る回文は難しくないし、誰でも作ることが出来るようなものばかりです。簡単なものは頭の中だけでも可能なので、新聞を読んでいたり、自転車に乗っていたり、それこそ寝ようとしている時でも、出来てしまうことがあります。そして、そのことをとても楽しみに している(頭の中で作った回 文は間違っていることも多く、それがまた面白か

 

ったりします)のです。
 回文の募集などしたら、優秀な皆さんにこのHPは乗っ取られて、ぼくの出る幕などなくなってしまうでしょう。
 自分で作るという楽しみを少しでも減らさないために、他の回文のサイトなどを見ることを、ぼくは自粛しているくらいなのです。というわけで、申し訳ないのですが、くれぐれも回文をぼくに送りつけて、自慢するようなことはやめてくださいね(なんかだらしねー)。