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ブックリブックスの店主デクノロジジイの日記です。暇を持て余している人以外は近付かないほうがよろしいようで。
また本や映画については、ネタバレに関しての配慮はしていませんので、その点もご注意ください。一応、最近のものについては映画の内容に触れている部分は青くしています。
なお2006年からは、この日記と同じ内容のブログ(http://blog.livedoor.jp/dechnologigy/)もあります。
日付

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■2006.2.28(火) さむ
 

また寒い。今シーズンは寒がりだから(なんでや)、こればっか。

確定申告を早くすませないと、と資料を……ありゃりゃ……毎年のことなのにな。

夜はサッカー観戦。日本代表対ボスニア・ヘルツェゴビナ戦。テレビの解説は、4バックがうまく機能しているとか言っていたが、後半はへなってましたな。やっとの引き分け。


■2006.2.27(月) D社倒産
 

なんとなく暖かい。エアコンのリモコンだと、室外9℃、室内15℃だから、あまり変わっていないのに。昼近くまで暖房なしですむ。

D社は倒産ということになったらしい(Y社からの話)。ということはウチの掛売残も回収不能ということか。頭が痛い。このことは予想しなくもなかったが、死んだ社長の息子二人からは葬式のあと電話で仕事の流れについて聞かれていたし……それなのにこのことに関して一言もないのではやはり釈然としない。

S田社長とは長い間いい関係ができていただけによけい虚しさを感じる。


■2006.2.26(日) 映画『県庁の星』『ミュンヘン』『皇帝ペンギン』 長女帰国
 

雨の中、自転車で錦糸町へ。楽天地シネマ8-1で『県庁の星』。

いやー、こういうわかりやすい映画はいいな。K県庁エリート職員対二流スーパーのパート。切り口が単純明快。

それだけに、進行は予定通り。もっとも野村聡(織田裕二)が二宮あき(柴咲コウ)と一緒にスーパーで働くという一番安直な結末は避けていて、原作にはない県庁に戻ってからの話がある。

野村が官民交流とやらでスーパーに半年間研修に出されてからの話は、わかりやすいのだが案外目新しいものは少ない。寝具売場をレイアウトしてはいけない理由は説得力が今イチだし、弁当競争や店長室まで在庫の山というあたりは大げさすぎ。消防の口頭試問でダメ店長(井川比佐志)が活躍するのもみえみえの演出だ。そもそもそこまでちゃんと答えなくてもいいんじゃないかしら。

とにかくこのスーパーのダメさぶりは尋常じゃないから、二宮から野村が学ぶっていうのがなー。マニュアルがなくて野村がびっくりするのは当然で、今時二流でもチェーンスーパーだったらあるでしょう。マニュアル通りだからダメっていうのならわかるんだが。んで、県庁にはマニュアルがあるんだ? それは知りませんでした。

他にも本当かと思うところがあって、なかでも一番気になるのが県議会での野村の発言だ。議会の仕組みなどよく知らないが、一職員に発言権などあるのだろうか。それに議決後に言い出すというのがなー。野村が失意の中、酔って二宮の自宅に押しかけるというのも? それくらいはキャリア公務員の野村のこと故ちゃんと前もってリサーチしていたのかもしれないが、説明抜きではストーカーと間違えられかねませんぜ。

女子アナあがりの知事(酒井和歌子)の狸ぶりが議長(石坂浩二)以上だったというのは、なかなでした。前向きに検討するというのは何もしないことだと、まあこれ自体はもう常識なんだが、野村と知事に最初と最後で言わせているのは効いている。

野村がスーパーで学んだことは、「素直に謝る、素直に聞く、仲間が必要」だそうですよ。ちゃんちゃん♪

食事のあと、楽天地シネマ8-7で『ミュンヘン』(Munich)。

1972年9月5日、ミュンヘン・オリンピック開催中の、パレスチナゲリラ「黒い九月」によるイスラエル選手団襲撃事件……そういえばそんなことがあった。

忘れかけていたのは私が平和ボケした日本人だという証拠みたいなもので、事件には続きがあったのだ。激怒したモサド(イスラエル機密情報機関)が、秘密裏に暗殺チームを編成し首謀者の殺害を企てたというのだ。映画は、そのリーダーとなったアヴナー(エリック・バナ)が仲間と殺害を実行していく様を、ドキュメンタリーのように綴っていく。

これが執拗で、凡庸であれば飽きてしまうところだが、スピルバーグはさすがに164分の長さを感じさせない。どころか、暗殺を続けていくうちに自分たちが狙われる恐怖を、じわりと呼び出す。それに、この暗殺の連鎖は、パレスチナとユダヤの位置関係の縮図であるわけだし。

ただしこの映画に関する限り、出発点はあくまでミュンヘンで、そのことは繰り返される映像でもわかる。つまりアヴナーの苦悩はそこから始まったのだと。それがユダヤ人であるスピルバーグの限界だろうか。

いや、こういう見方をしてしまうことが、すでに暗殺の連鎖と同じ構図なのかもしれない。体制内批判ではあっても、ここはスピルバーグの勇気を買うべきだろう。ラスト、貿易センタービルが遠景として左端に映しこまれていた。

時間は早いのだが雨が気になるので、そのまま江東区文化センターへ行ってしまうことにした。でも途中で上がってくれる。上映までの50分は本を読むことに。

この催しは、朝日新聞江東ブロック映画上映会という名前のもので、一月前にFAXで申し込んでおいたもの。あいにくの雨で、入りは1/3程度(どのくらい申し込みがあったのかはわからないが)。

『皇帝ペンギン』(La Marche de L’ Empereur)。日本語吹替版。

記録映画だが、父、母、子のナレーションでみせるという構成。擬人化には無理があるけれど、それほどおせっかいではない。

これを観ると、ペンギンがいかに不器用な生き物であるかがわかる。安全な繁殖場所を求めてというけれど、そこに行くまでと、卵が生まれて雌が何日もかけて餌を取りに行って帰ってくる(雄が卵を暖めて孵す)ことを考えると、繁殖地への移動は危険の方が多いとしか思えないのだ。

暖めている卵が何かの拍子に体から離れ、回収に手間取っていると、寒さでひび割れてしまうカットは衝撃的だ。他にも鳥の餌食になるとわかっていながら、何もしようとしない親達とか……。

とにかくあのヨチヨチ歩き(で、よく転ぶんだなー)でわかるように、陸地では為す術がないという感じ。けれど、海中には天敵のあざらしもいるし……ってことで陸で卵を孵すようになったのだろうけど、極地の寒さは雛には(親にも、か)相当厳しいということがよくわかりました。

うーむ、生きるということは実にたいへんなことなのダなぁ。

江東区文化センターは、前に何の用で来たか忘れてしまったが、今となっては椅子などの設備が安っぽい。映画を上映するには、ホールの暗さが足らないし、ピントが甘い。しかもフレームが右に動きだし、最大で1/9も白い部分が、10分ほどとはいえズレて映写されたのにはまいった。設備ではなく、映写技師の腕?

実は今日の夕方、長女がスペインから戻ったのだが、VIP?の観光案内も仰せつかっているらしく、泊まりはホテルニューオータニなのだと。映画をとりやめて会いに行った家人が、豪華な部屋に驚いていた(貧乏生活がバレてしまうな)。

今回は2日に大阪に移動し、そのままスペインに帰るので会えないが、3月と4月にも来る予定があるとのこと。

しかし、バイトもどきの人間に日本に何度も出張させたり、VIPの案内をさせるかしらね。よくわからん会社だ。


■2006.2.25(土) 映画『ウォーク・ザ・ライン 君につづく道』『シムソンズ』
 

掃除をしてから、家人と新宿へ。食事のあとは別々の映画館へ。

タイムズスクエアで『ウォーク・ザ・ライン 君につづく道』(Walk the Line)。

ジョニー・キャッシュの伝記音楽映画。

導入部の刑務所シーンまでがよくて期待したが、尻すぼみ。兄の事故死からセールスマン時代の飛び込みオーディションあたりまではまだしも、そのあとは話を創るわけにもいかないからか、ありきたりで終わる。成功してドラッグに手を出すのが、音楽家がたどる道なんですかい、って事実に文句を言ってもしょうがないか。

だからジューン・カーター(リース・ウィザースプーン)との恋が焦点になるのだろうけど、この映画では最初の妻の扱いが気になって、すんなりとはそこへ気持ちをもっていけない。小さいときからスターであったジューンに対するジョニー(ホアキン・フェニックス)の特別の想いがもともとあったとはいえ……。

それと、予告篇の「結婚を申し込んだ回数、40回。ステージ上でしか会話しなかった期間、10年」というあたりが、きちんと描けていないのだ。40回目というのは、最後に舞台でジョニーがプロポーズすることでわかることだし、10年間の方に至っては何がなんだか……。まあ、予告篇と比較するっていうのが、おかしなことなんだけどさ。

10年という時の変化はメイクでは表現しにくいから、脚本の見せどころなんだけど、後半は歌のシーンのつなぎで逃げてしまっている。

ホアキン・フェニックスとリース・ウィザースプーンの熱唱が、ゴールデン・グローブ賞をもたらしたのだろうけど、そして二人のデュエットは素敵なんだけど、ホアキン・フェニックスの歌は私には微妙だった。

畸人堂や紀伊國屋書店経由でシネマミラノへ。

17:30と20:05の二回上映とはいえ、シネマミラノがこんなに人であふれかえっているとは。やっと座れる。もっとも最終回は空いているみたいだったが。

『シムソンズ』は、これまたよくあるスポーツ(音楽)青春路線で、物語に新鮮味はないのだが、ほんわかずっこけムード+あくまで明るい元気の素が沢山詰まっている。

2002年のソルトレークシティ五輪に出場した女子日本代表チームの「シムソンズ」をモデルにしたというが、もし映画が本当だとしたら……まあ、嘘でしょう。

主人公の高三の少女(加藤ローサ)と同じく、何もないという北海道常呂町(と言いつつ、名産のホタテとタマネギを売り込んでた)では、誰もがカーリングに夢中だという(カーリングもあるんじゃないの)。なのに経験者は一人であとの三人(藤井美菜、高橋真唯、星井七瀬)はルールも知らない、というのは観客サービスで、マイナーなカーリングを説明するためだったり、対戦相手が書き込み不足だったり、いかにものコーチ(大泉洋)の過去はともかく、それを相手側のコーチが恥とまで言うかな、とか……。 

細かい部分では欠点だらけなんだけど、若さの持つ元気さや明るさが、全体のカラーを底抜けのものにしているのがいい。所々に入るギャグも。

10年後の自分を真剣に考える高三の姿にはあわてたなー。昔も今もそんなこと考えたことなかったから……おー、やばい。


■2006.2.24(金) 勉強会
 

午後、雨に。たいした降りではないが、また寒い。

勉強会で高田馬場へ。テキストは神山典士『初代総料理長サリー・ワイル』。著者を含め16人の出席。(※著者のブログhttp://the-bazaar.cocolog-nifty.com/)

神山典士『小室哲哉 深層の美意識』読了。

疲れがたまっている感じ……。ロクに仕事もしてないのにね。


■2006.2.23(木) 本『四日間の奇蹟』 O氏の通夜
 

朝倉卓弥『四日間の奇蹟』(宝島社文庫)読み終わる。

解説(茶木則雄)に「物語の核になる仕掛けが、ある人気作家の先行作品とほとんど同一のものだった」とあるが、でも、その前にだってこういう仕掛けはあったのだから、問題にするとしたらその人気作家だって同じなのでは。解説にあるように、もちろんそれだけの問題じゃないのは当然だが、何か新しいひねりを創り出さなきゃならないから作家も大変だ。映画もそうかな。最近は。

しかしこの内容で、この分量……よく書けるものだ。人間分析が出来るから小説が書けるんでしょうけど。

O氏の通夜で町屋へ(17:45〜20:10)。町屋斎場もはじめてなら、町屋で下車したのもはじめて。

Oさんのプライベートに関しては、病気になってからM本さんに聞いたことばかりだし、身よりも少ないというような話だったので、沢山の人が来ていたのは予想外だった。会社関係の人が多いにしても、誰からも好かれたOさんの人柄だろう。

他にT丸(今日は泊まり込むとのこと)、N山、M山さんを見かける。N沢さんとは焼香のあとから帰路の大手町まで一緒。勉強会で10回くらいは会っているはずだが、話らしい話をしたのは今日が初めてだった。


■2006.2.22(水) 宅配料金
 

今日は暖かだ。寒い日はいくらエアコンの設定を高めにしても寒いけれど、今日のような日は低くても、そして実際の室温の表示が低くてもそれほど気にならない。もっとも風がすうすうするのはなー。

佐川急便の担当者が新しい料金表を持ってくる。

3月から一律30円ほどの値上げ。ただ、2kgの設定が増えたので値下げの部分もある。現在は重量は関係なくサイズ別になっていて、だから1kgはなくなったという説明だったのに、運賃表がまた重量別になっているのはどういうことなのだ。

自動引き落としの手続きも何度もさせておきながら何も変わらないままだし、着払いの申し込みの返事も結局来ない(沢山ある訳じゃないので郵便局ですませているが)。担当者は頼りないし、というかこれは会社の体質なのだろう。困ったものだ。


■2006.2.21(火) Bフレッツハイパーファミリータイプ 82冊アップ(計1107冊)
 

夜、NTTのBフレッツをニューファミリータイプからハイパーファミリータイプに変更の工事。ニューファミリータイプは去年すでに新規受付を中止しているわけで、早くやってほしかったもの。

なのに、昨日の電話では最初、混雑しているので他の日にしてほしいと言ってきた。いつやってもらえるのかと聞き返すと、一月後になると言う。二ヶ月位前にNTTの方で予定を組んでおきながら、前日になってそれはないでしょうとゴネたら、遅くてもよければということで今日やってもらえることになった。20〜21時でないと行けないということだったが、19:40にやってきて20時には終わる。

屋外でも別の人間が切り替え工事をやっていると言っていたが、屋内は信号をかえる箱を取り替えただけのようだ。

これで100Mbpsの共用から1Gbpsの共有に。少しは光らしくなってくれるといいが。


■2006.2.20(月) 久々の保育園 体力
 

果太を迎えに保育園へ。冬は雨が少ないからずーっと私の出番がなく、前回がいつだったか忘れてしまった。抱いて保育園から帰ると腕がしびれて、けっこうきつい。大きくなった感じはしないが、どうなんだろう。私の体力が何ヶ月かの間にさらに落ちたのか。

トロを一階から三階に連れて上がる時も、抱いてからちょっとした用をしたりするとだるくなってしまうくらいだからなー。

体力を維持するには何かしなければと思うが、平日のほとんどは家から2メートル以上離れることがない私。


■2006.2.19(日) O氏の死 映画『クラッシュ』『オリバー・ツイスト』
 

昨日、メールで勉強会仲間のO氏が亡くなったという連絡が入っていた。昨年の7月からの闘病生活でこの結果は痛ましい。飄々とした印象だが、気づかいを忘れない人だった。残念としか言いようがない。

予定をはっきりさせていなかったので、昼になってから出かける。結局今日も新宿へ。

新宿武蔵野館1で『クラッシュ』(Crash)。

気取った導入部には鼻白むが、そのあとは見事。多彩な人間像が複雑に絡みあった二日間は、偶然の要素が多いのは事実だけど、これだけ巧みに集約されていると、そんなことはどうでもよくなってしまう。

忌み嫌うべきセクハラの張本人で人種差別主義の警官に助けてもらうしかないとしたら……。いい警官になろうとしたし、事実そうしてきたというのに、気が付いたら人を殺していた……。なにをしても弟のようには母親に受け入れてもらえない……。

そういった痛切な叫びに満ちた時間がすぎていく。善悪では語れない人間のやっかいさ を切り口としているからよけいやりきれない。いたるところで遭遇する人種差別の根の深さにも、ただただ立ちつくすしか術がない。

息が詰まりそうになった時、途中で鍵屋の父親が娘に語っていた(その時は、なんでこんなシーンが入るんだ?という気分に)「透明マント」が奇蹟を起こす。もちろんそれは奇蹟でもなんでもないのだが……。

いろいろなシーンが、いつまでもあとを引く映画だ。

新宿文化シネマ1へ。

昨日行った新宿スカラ座もそうだったが、ここも初めてだ。やはり旧新宿東映会館に近いから、シネマ3、4は閉館にし、1、2は改装して生き残るというが、新宿スカラ座のようなはっきりした傾斜がないので、単純な改装だと厳しそうだ。

今日は、はじめ5列目に座ったのだが、前に人がきたのでやむなく3列目に移動した。アクション映画ではないので、これで正解だったが。

『オリバー・ツイスト』(Oliver Twist)は、19世紀のイギリスを金をかけて再現しただけのことはある。街を行き交う、それも道からあふれんばかりの人や馬車。市場や本屋の佇まい。筋は置いてでも、それをもう少しゆっくり観ていたい気分になった。

が、他はまったく物足りない。オリバー(バーニー・クラーク)は運命にもてあそばれるというよりは意志薄弱なだけだし、老紳士(エドワード・ハードウィック)やナンシーの行動には説得力がないときてる。フェイギン(ベン・キングズレー)もドジャーにも魅力がない。脇役が輝いていたミュージカルの『オリバー!』(1968年)の方がずっと楽しめた(今観たらわからんが)。

オリバーの生い立ちは、原作だとどうなんだろう。ミュージカル版のような、実は老紳士の行方不明の姪の子だったという説明の方がわかりやすくないだろうか。オリバーを拉致したあと、悪党のビル(ジェイミー・フォアマン)が仲間とオリバーを連れて老紳士宅へ強盗へ入るのも芸がなさすぎるというより藪蛇でしょ。鍵を開けさせるだけならオリバーである必要はないわけだし……。

よかったのはフェイギンに会ったあと、馬車の中で老紳士がオリバーをそっと抱きしめるシーンくらいか。あとはいいかげんな裁判の様子や、社会のひずみといった描写……でも、これはあくまで背景だよね。そうだ、タイトルとエンドロールの絵の処理が、ってそれもどうでもいいか。

いやはや、改めて人物の造形が薄っぺらなのと物語がひどいのには、あきれてしまいましたぞ。ロマン・ポランスキーは何をしてたんでしょうか。

今日はおにぎり弁当を作ってもらっていたし、遊んでばかりなので、映画館の移動のみで帰宅。


■2006.2.18(土) 映画『THE 有頂天ホテル』『PROMISE』『美しき野獣』
 

休みの日だから、苦もなく目が覚める。掃除をしてから出かける。

新宿スカラ座へ。学生だった頃に出来たレインボービルの中に華々しくオープンしたのだが、地下の映画館にしか行ったことがなかった、はず(記憶が曖昧)。東宝系をわざわざ新宿で観る必要性がなかったし。レインボービルという名前が、ずーっと恥ずかしかった。外観も。

もっとも現在再開発中の旧新宿東映会館にシネコンができるのと、ビルの老朽化で、閉館が決まっているらしい。だからか、館内全体がすすけた印象だ。

420の客席は段差が付いていて当時としては見やすく、よく考えられた小屋だったのだろうが、それでも4列目だと前に座高のある人がいたら画面は欠けてしまう。最近のシネコンは小屋としての面白さはないけれど、少なくとも画面が欠けるような設計にはなってないからねー。

『THE 有頂天ホテル』。

三谷喜劇不発。これだけの登場人物を配し、しかもそれをホテルのロビーでカメラをパンさせながら次々に話をまわしていく脚本とアルトマンばりの演出には舌を巻かざるを得ないが、笑えないのは致命傷。

副支配人(役所広司)が元の妻(原田美枝子)の前でつい見栄を張ってしまうあたりまでは快調なのに、そのあとはうるさいだけのギャグが多くて一向に楽しくならない。特に川平慈英や堀内敬子、香取慎吾あたりのギャグと話はつまらないだけだ。ただてんこ盛りにすればいいってもんじゃない。

で、てんでバラバラのまま、それぞれがよかったよかったで終わっているから、カウントダウンパーティで一同に会させた意味がほとんどない。全員(置き去りにされた人も何人かいるけど)が筆耕屋(オダギリ・ジョー)的自己満足状態になってしまってもなー。

松たか子の演技は悪くはないが、行動も不明なら、元恋人の代議士(佐藤浩市)への意見も同意しかねる。不正で行き詰まった佐藤が、真実を明らかにしようとやっと決意したのに、あなたには代議士しか道はないと言うのがねー。え、何これ。とするとあの『笑いの大学』(好きなんだが)ももしかして体制迎合映画だった?

あと、あきらかな置き去り組はともかく、原田美枝子の扱いが気になる。表面的にはなんてことはないんだけど、よく考えると気の毒な役だよねー。って、私別に原田美枝子ファンではないんですが……あれ、この間も同じようなことを書いたような(あれは誰だったっけ)。

文句が多いのは期待しすぎてたのだけどね。結論:リアルタイムの2時間にこだわりすぎ。

とっとこ歩き、食事をさっさとすませてミラノ座へ。

『PROMISE』(無極)。

行き倒れ寸前の少女、傾城が、女神から真実の愛を得られぬ代わりに、すべての男からの寵愛と何不自由ない暮らしを約束される出だしは、予告篇でインプット済み。だが、なぜこの契約を女神が持ち出したのかは本篇を観てもわからなかった。小さな子供相手にこの女神は何をしたかったのか。女神の勝ち誇ったような映像があるけれど、運命を弄ぶただの意地悪女としか見えないんだが。

次ぎに唖然とさせられたのは、昆崙という奴隷(チャン・ドンゴン)のはいずり走り。うーむ。こうなるとCGはすでにマンガで、でもいきなりこのシーンを持ってくるくらいだから、陳凱歌(チェン・カイコ―)監督の割り切りなのだろうか。そう思ってしまえば、納得だし十分面白い。

美しく成長した傾城(張柏芝:セシリア・チャン)は、大将軍・光明(真田広之)の寵愛を受けることになるのだが、傾城は誤解した上での愛だし、光明は恋に溺れて落ちぶれていく。大将軍の奴隷になった昆崙も傾城への想いがつのるが、あくまで奴隷としての立場は通そうとする。

この三人の関係は、マンガ的映像(色使いと構図にも注目!)と話の中で語られるにしてはなかなか深いものがある。ただ話の運びが乱暴なのと、どうしても派手なアクションシーンを全面に押し出そうとするから、観ているときにそこまで考える余裕がない。

巻頭に伏線があるとはいえ、北の侯爵・無歓(謝霆鋒:ニコラス・ツェー)の現在の立場もわかりにくいし、その部下で昆崙と同じ部族である鬼狼(劉Y:リィウ・イエ)の切ない過去にまで触れているから大忙しだ。

最後は、時空を超え、またふりだしに戻ることになる。女神との契約を今度はどうするのか。戻っておきながら映画はそれを明示しないのだが、でもさ、そんなことより、この女神の部分は全部カットしてしまった方がよくないか。ファンタジーとしての位置づけにこだわったのかもしれないけれど、傾城と彼女をめぐる男達の話に女神との契約がなくったって何の不都合もないし、かえってすっきりすると思う。

シネマスクエアとうきゅうで『美しき野獣』。

義弟の復讐に燃える刑事(クォン・サンウ)とエリート検事(ユ・ジテ)を動と静で対比させたかったのだろうが、途中でうんざりしてしまう。

クォン・サンウの瞬間湯沸かし器ぶりはやりすぎだし(『恋する神父』のイメージでいたのでインパクトはあったが)、冷徹な検事の方は過去の書き込みが甘い。二人の関わり合いにもう少し工夫がほしいところだ。最後はへたくそなやくざ映画みたいな展開になって、あーあという感じ。

世界堂(希望のものなし)と古本屋(ここも収穫なし、じゃなくて私が本気じゃなかっただけか)に寄ったあと食事。で、帰りは新宿御苑前から。帰宅は21時近くだったか。くたくた。たっぷり眠ろう。


■2006.2.17(金) ネット検閲 Mac OS Xウイルス
 

中国のネット「検閲」にアメリカのグーグルやヤフーなどが協力していることが問題になっている。

検索は本当に重宝していてGoogleがないなんてもう考えられないくらいだが、こういうことが知らないうちに行われているとしたら……。見せたくないものを遮断するだけでなく、特定のものに誘導するということも可能だろう。

これまたパソコン系ニュースだが、「初のMac OS Xウイルスが出現」だと。OS Xにはいままでウイルスはなかったのか! で、このニュースでMacの評価が上がったとか?  ってことはないだろうけど。ウチはいまだに9.1……ガクッ。


■2006.2.16(木) しょぼい
 

昨日は19.9℃もあったそうな。でももう逆戻り。しかも雨。しょぼいぞ。

一人でお年玉年賀葉書の一等を二つも当てた人がこの間テレビで紹介されていたが、全等級当選者もおりました。約350枚に、一等から四等まですべての等級の当選葉書が含まれていたのだと(一等を二つの人は20枚くらいだったような?)。一等は書き損じで出さなかった葉書というんだから、面白い。ちゅーか不公平だよーん。ちゅーか、この発想もしょぼい。今日はそんな日?

家人は一等二つのニュースを見た時「やっぱり宝くじを買おうかしら」と言っていたが、私はだからよけい当たらない、と逆に考えていた(常に気の合わない二人)。そもそも買う気すらありませぬ。


■2006.2.15(水) サボリの弊害

 

長くサボっているとろくなことがない。

3ヶ月半も新着のアップをしないでいたら、例によってやり方を忘れてしまったり、内容の違うファイルが混在していたり、アップした数が合っていなかったりと、いろいろ不都合なところが出てきて躓いてばかり。簡単だったはずの作業が、なんともややこしいことになっていて、半日もつぶしてしまった。

それにしても何故やり方をすぐ忘れてしまうのだろう。教えてくれる人がいるからという甘えもあるとは思うが、これではどうしようもない。

今日はさすがに私も暖かさを実感。喉はなんとなくヘンだが、風邪ではなさそうだ。


■2006.2.14(火) 寒がり 65冊アップ(計1025冊)

 

暖かいらしいんだが、そうかなーと。この冬はずいぶん寒がりになっている。寒さには強いって言われてたのに。年だから? 皮下脂肪は確実に増えているはずなんだが。

喉がいがらっぽい。まさか風邪ってことはないでしょうね。だから暖かさを感じないとか? やっと喉を気にせずに歌が歌えるようになったっていうのに。


■2006.2.13(月) 本『初代総料理長サリー・ワイル』
 

神山典士『初代総料理長サリー・ワイル』読了。

昭和2年(1927年)、横浜に開業したホテルニューグランドの料理長になったワイルの人生を軸に、日本にいかに西洋料理が根付いていったか、というような本。

勉強会の本じゃなきゃ読まなかったな。料理には無関心だからねー。もっとも料理の解説本ではなく、歴史ものの側面が強いから、なるほどと感心するうちに読み終わっていた。

後半の料理修行に出ていく日本人の姿がたのもしい。しかし、どんな時代にも意欲に燃えている人っているんですね。まあ、だからこそ成功もし、本にも取り上げられてもらえるんでしょうが。で、わが道を振り返ると、あまりの志の低さに冷や汗が出てくるのでありました。とさ。

朝日新聞夕刊に部分的ではあるが白い紙質のものが。トリノ用の臨時サービスらしいが、いまに全頁がこうなるんだろうな。


■2006.2.12(日) 映画『サヨナラCOLOR』『空中庭園』
 

3時すぎに目がさめる。2時間くらいごそごそしたり本を読んだりしていたので、7:45起きでもつらい。廃品回収。

8:40には家を出る。自転車で飯田橋へ。風が強く時間がかかる。ギンレイホールは久しぶり。ロビーがほんの少しだけ広くなっただけだが、印象が違う。

『サヨナラCOLOR』。

自分が監督だとこんなずるいことができちゃうんだよねー。まったく。だいたい薄めようのない濃ーい竹中直人に、透明感ある原田知世じゃ合わんでしょーが。ってこの文句はうらやましがっているだけか。やだねー。

でその原田知世も、恋人というのがクセのある、浮気しまくりの段田安則だから、そんなものなのかも。ってどこまでも映画というよりは、もっと身近なものとして観てしまってるんだから、監督の勝ち。

竹中はセクハラ癖の治らない独身医師。けど、飲み屋の女将の愛人(中島唱子が可愛い)はいるし、女子高生(水田芙美子)と援交(竹中はそう言ってたけど?)も。これで、原田とのことをぬけぬけと「最初で最後の恋」だなんてさ。

くっそー。ってまたか。私もしょうがない。でさ、さらに許せないのが、そんな竹中であることをわかった上で、「私先生がいないと生きていけなくなりました」なんて原田に言わせてるんだから……と言いましても、私、別に原田知世ファンではないんですが。

高校の時の竹中は、確かにもてそうもないんだけど、告白だってしてたんだから、たいしたもんだ。でもそこまでされていながら「覚えてない」って言われちゃったらね。昔だったらこんな設定はないよ、って思ったろうな。でも、自分が年を取ったことで、そう簡単に嘘とも言えない心境になっている。

まあ、そんなことはともかく竹中、原田に忌野清志郎が同級生だってー。そりゃないでしょう。それと、学生時代に佐々菌(竹中)が屋上からぶら下がった意味が? あと、どうでもいいんだが、え、何で、というくらいの豪華配役。そうだ、竹中の同僚の内村光良が好きだなー。ってしつこいです。

2本立てだとどうしてもトイレに行っておきたくなるが、改善されていないトイレの混雑は相変わらずだ。ギンレイホールはこれがなぁ。名画座で1本立というのはダメなんだろうか。

『空中庭園』は、公開直前に監督の豊田利晃が覚せい剤所持で逮捕されて、(良識ある?)テアトル系にかからなくなってしまった作品。なので予告篇は何度も観ていた。観たいような観たくないような気分でいたが、結局ギンレイまで足を運んでしまったわけだ。

マンションが回転してあらわれるタイトルが秀逸。そして、まさに「空中庭園」という言葉に象徴される作り物めいた家族像が描かれる。

映像の工夫(好きではないが)もあるし、こんな内容なのに最後までみせる力量にはほとほと感心した。誕生日パーティの修羅場は見せ場だからともかく、たとえばちょい役の永作博美の扱いなどがうまいのだ。

やりすぎと思いつつ、そこにリアリティを感じてしまうのだから怖い。そして最近の日常的に多発している事件を考えれば、この程度がやりすぎでないのは自明なのだが……。

ラストは違和感が残る。こんなハッピーエンドはありなんだろうか、と。あり得ないよね。小泉今日子が再生できたというところまでならまだしも(母親である大楠道代との関係は納得できるから)、家族を修復できる要素なんて何もないもの。というか、これもそう思わせるための演出なんだろうか。

初回は9:30はじまりなので6、7割の入りだったが、2本立は客が重なるから、次の回はほぼ満席。でも終わるとまた半分くらいになっていた。トイレは狭いし、やっぱり1本立てでしょ。

映画館を出ると、外堀通りで旗を配っている……。そうか、マラソンなんだ。まだ時間があるらしい。見たからどうってことではないのに、ついコースになっている道に沿って帰ろうとしている。水道橋まで来て、やっと遭遇。先頭集団は4人。あれ、でも後が……。日比谷通りと違ってここは36キロ地点だから、相当バラけてるんだろうけど。

神保町経由で3時間かかって家に。帰りは追い風だから楽なのに、朝より冷え込む感じ。おー寒。


■2006.2.11(土) 映画『あおげば尊し』『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』
 

家人と新宿へ。K's cinemaは初めて。84席の小さな映画館だが座席の間隔やロビーが広々していて気持ちがいい。ここがやくざ映画の殿堂だった昭和館跡とはねー。上映している映画の種類が違うとはいえ、えらい落差。3階のロビーからの風景はあまり代わり映えしてなくって、雀荘だったりするんだけど。

ここも定員・入替の整理番号制だった。小さい劇場だからできるシステムではあるのだが、これがベストかな。最近の東宝系や109シネマズ木場などの全席指定制は、問題が多くてちょっと首をかしげたくなる。希望は聞いてくれても、あくまで指定は劇場側がするわけだから、場内を見てから決めるわけにはいかない。自分で決めたって、幕が上がってから、もう少し前にしておけばよかったというようなことはいくらでもある。スクリーンとの距離だけでなく、目線との兼ね合いだってあるし。座席の位置ってかなり重要だと思うんだけどなぁ。

『あおげば尊し』で市川準は、カッコいい画面を創ることを放棄してしまったようだ。カメラはいたずらにぶれることはないが、でもキチンと固定されているわけではない。淡々と過ぎていく日常の心の軌跡程度に、いやそこまで大げさでなく、息を吸って吐く程度にほんの少しだけときたま動く。

父の最期を家族で看取るための自宅介護、その始まりから終わりまでを、カメラはそんな感じで追っていく。当然、映しだされる授業や介護の光景もありふれたもので、どこまでも自然体であろうとしている。

演出を意識させられるのは、死に興味を持った子とのやりとりとラストくらいだろうか。だから逆にその部分が気になるといったら、言い過ぎか。元気な頃の父の後ろ姿を追ったエンドロールがいいので、許しちゃおうかな。

アクが強いと思い込んでいたテリー伊藤が、普通の人になっていたんでびっくり。でも、そうか、薬師丸ひろ子もそう。そういう映画なんだものね。

家人とは食事をしたあと別々の映画に。

テアトル新宿で『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』。

青山真治は、前作の『月の砂漠』もどうかと思ったが、これはさらに独りよがりな作品。爆音映画(不快感はないけどうるさい)という野心作なのかもしれないけど、この内容だと引っ張りすぎ。半分くらいでも十分じゃないか。

近未来の2015年。自殺願望病である「レミング病」という正体のわからぬウィルスが地球に蔓延している、というせっかくの設定がほとんど意味をなしていない。生活感もまるでないし。自殺する以前に死んでいる(どうやって生きているのだと思うような)人間ばかりなのだ。

良かったのは、はじめの方で浅野忠信と中原昌也が無邪気に音集めをしているところまでだったかも。二人の音楽(集めた音の集大成があの爆音なの?)がレミング病に効果があるというのが鍵になるのだが、それを聞いた殺し屋が自殺してしまうということは……。結局タイトルに戻ってしまうわけ? このタイトル、すごすぎないか?

観っぱなしはいけないと自戒しているつもりだけど、全てが自爆気味でついて行けなかった。もう少しは考えるヒントをくれてもいいと思う。

筒井康隆は、可も不可もなし(何が気に入って出演したんだろ。俳優扱いしてくれれば何でも出ちゃうとか)。岡田茉莉子も。宮崎あおい、戸田昌宏もかな。

寄り道したいのをこらえて帰る。掃除。夜はトリノ冬季オリンピックを1時間ちょっと。


■2006.2.10(金) 入力、入力
 

もしかしたら追加注文がもらえるかもしれないということで、キネ旬をせっせと入力する。問い合わせは最初の注文時に一緒にくれてはいたんだけど、そして商売という観点なら、こんなことはせずに返事をしてしまってもよかったんだけど、どうもそういうのに抵抗があって……。どうでもいいじゃん、ともう一人の私は言ってますね。

でも、まあ状態のチェックを兼ねて、ということで。また何かが出てくるかもしれないし。

しかし、終わらんね。つい中身を見てしまうからだけど。


■2006.2.9(木) 段ボールで発送
 

ブックリブックスでは段ボールでの発送ははじめてだ。結局、キネマ旬報は58冊のお買い上げ。ありがたいことで。毎日こんなだと商売っぽいんだが。

それにしても郵便振替だと入金確認がどうしても遅れてしまう。何かいい方法はないものか。お客さんに悪いし。

果太は中耳炎だと。元気で保育園には行っているんだけど、まったく病気のデパートだね。


■2006.2.8(水) 開店2周年(4日前でした) 江東区の映画館
 

そういえばブックリブックスだけど、開店2周年を過ぎてました。忘れていたわけではないんだけど、サボってるもんだから、書くのがためらわれたのね。いやーホントにどうかしないとね、ってこればっかりだよ。

江東区には映画館がないというのは、最近ご無沙汰の「江東シネマ倶楽部」に通っていた時に聞かされたことだが(今は109シネマズ木場がある)、1975年のキネマ旬報(No.650)をめくっていたら「われらの映画館73−東京篇」に「砂町富士館」(江東区東砂6-12-6)が、鈴木志郎康によって紹介されていた。

当時の私には江東区など縁もゆかりもない土地であったし、記事も多分読んでいないと思うのだが、経営者の竹内徹一郎氏の話がめちゃくちゃで面白い。主に脱税話なんだけどね。そういえば昔は入場税なんてのがありましたからねー。

この砂町富士館だけど、きっとすぐなくなっちゃったんじゃないのかなー。記事になった当時でさえ、いつ廃館になってもおかしくない感じがするんだもの。

写真のキャプションが「砂町富士館は本当に場末の場末にあった」だもんねー。同じ江東区といっても、ウチからだと遠いっす。


■2006.2.7(火) 古写真
 

昼近くになって前の車に雪があるのを発見。あれ、そうだったんだ。

暖かくなるという天気予報がはずれたものだから、来る客も文句たらたら。

リクエストをもらった古いキネ旬を引っ張り出してきたら、大学時代の写真が2枚はさまっていた。1枚は私だけでもう1枚は友人の二階堂と一緒なのだが、ということは誰が写したのだろう。彼の友達? 写真にまるで記憶がないのは、貰ってそれっきりだったからかもしれない。二階堂と音信不通になってすでに30年近く経つはずだけど、何をしていることやら。


■2006.2.6(月) キネマ旬報
 

18時過ぎに、キネマ旬報についての問い合わせの電話が入る。まとめて欲しいとのことで、とりあえず出品しているものについて注文をしれくることになった。

それにしても面白いものだ。キネ旬は2年間まったく反応がなかったのに、2/4にも注文(こちらは単品だが)があったばかり。偶然なのはわかってるんだが、なんでやろと言わずにはいられない。


■2006.2.5(日) 映画『フライトプラン』
 

掃除して、メールチェックして、あ、もう昼近い。家人と錦糸町に出て食事。

楽天地シネマ8-3で『フライトプラン』(Flightplan)。

一体どんな結末を用意してくれているのだろうかと期待の高まる展開。結果、これはないでしょ、という感想。

だって犯行があまりに偶然(それもいくつもの)に助けられてるんだもの。ひでーよ。ここまで凝った計画にする必然性も感じられないしね。こんな計画でよく犯行に及ぼうとしたものだ=この脚本でよく映画化のゴーサインが出たものだ、と。

ジョディ・フォスターはうまいのかもしれないけど、そんな感じがしなかったのは、機長には謝罪を要求しておきながら、自分はアラブ人に一言もなしだからねー。それに引き換えアラブ人は大人だった。機長(ショーン・ビーン)は良い役なんだけど、ヘタクソというか没個性。『スタンドアップ』では見直したんだが。ピーター・サースガードはまあまあにしても、密室劇にしては配役に厚みがない。

密室だから『パニックルーム』に似てる? が、タイトルデザインの印象はあるのに思い出せん。あれも子供たちを守るというような映画だったような。けど、今回は行動原理としてはそうなんだけど、娘はほとんど眠っていたしね。

巨大航空機もあまりいかされていなかった。見られない部分をのぞけても、機体のどのあたりにいるのかということすらわからない。設計者の一人であるジョディの頭の中にあるのだろうけど、なんらかの方法で観客に説明してくれないと。ってあれ、文句ばっかりになっちゃってる。

帰りは別々。私はブックオフ経由。

本を携帯で調べて漁っている人がいた。どうやらコード番号でAmazonのマーケットプレイスの値段か何かを確認しているらしい。これぞというものを手に取っては携帯を見て、棚に戻すという繰り返し。それでも私がざっと一回りしているうちにカゴ一杯になっていた。

なるほど、商売としてはこれもアリなんでしょうな。でも私には一番やりたくないことだな。

夜は森下まで歩き「牛角」へ。寒ー。


■2006.2.4(土) 映画『博士の愛した数式』『三年身籠る』『ギミー・ヘブン』
 

新宿へ。新宿東急『博士の愛した数式』。

大人になった√(吉岡秀隆)の数学の授業は素敵だった。こんな授業を最初に受けていたら、もう少し数学を好きになっていたかもしれない、と。数学落ちこぼれの私が思うくらいなんだから、学校はこの映画を最初に観せればいいのだ。簡単じゃん! 決まり!

もっともさすがにオイラーの公式は難しいんだけど、e^(iπ)+1=0というちんぷんかんな記号が、一瞬とはいえ美しく見えましたよ。博士が愛した数式、数式を愛せる博士というのは、とりもなおさず博士(寺尾聡)が愛を体現した人だということなのでしょうね。でなきゃ、いくら事故で博士の記憶は80分しかもたないのだと聞かされていても、同じことを何度も言われたら癇癪を起こしちゃうでしょうが。

ただ、そう思うと博士が義姉(浅丘ルリ子)とどんな関係を築いていたのかがもっと知りたくなってくる。映画ではこの義姉の存在がやたら重たっくるしいのだが、家政婦(深津絵里)が負けてないから(すごいよ)、過去が少しだけ明らかになる。

博士との間にできた子供を亡くしただけでなく親や親戚に友達まで捨てたという彼女なのだが、何故博士と一緒の敷地に暮らしながら距離を置いているのだろうか。ゲスの勘ぐりってやつですな。木戸は開かれたのだから、ヨシとしますか。

それと、私が博士だったら背広にポストイットなど付けないで、日記を書くけどねー。

新宿武蔵野館3で『三年身籠る』。

タイトルの示す設定も妙なら、この夫婦(西島秀俊、中島知子)も、妻の妹(奥田恵梨華)とその恋人の医師(塩見三省)も、そしてその他の人間たちもかなり妙。これでよく関係性が保っていられるものだと。

なので、というか、つまりよくわからなかったのね。この子がまだ出たがっていないからというようなセリフがあるのだが、こんな状況のところへ出てきたくはないよなー、と。

で、わからないまま最後になって、子供が産まれて一件落着らしいのな。しかも三年もお腹にいたので、もう歩ける! このシーンをやたら感動的な音楽であおってるってことで一件落着と判断したのだけど、これでいいのかという感じ。子供も納得して出てきちゃったのよね。どうせならあと10年は頑張って、親に説教できるようになってからにすればよかったのに。

「同じもの食べて、同じになりたいの」という一途な妹とその恋人の組み合わせには、妙な中にあってちょっと惹かれた。でもね、「どうして海ちゃん(塩見の名)には過去と未来しかないの」と詰め寄りながら、自分は西島を誘惑してしまうというのがな。

考えてみたら、妊娠中の当人がまずいい加減。夫に過去に付き合っていた人間に、宇宙人や怪物がいなかったと言われて、昔の相手に確認しに行くっていうのもな。これで笑いを取ろうとしているのならやりすぎと思うが。

小説(もある)の方がデキがよさそうな気がする(推測です)。

新宿武蔵野館2で『ギミー・ヘブン』。

「共感覚」という言葉は知らなかった。ある刺激を受けるとそれに対応する感覚に加えて、それとは別の感覚も同時に生じる現象だという。映画でも10万人に一人とか言っていたが、本当なんだろうか。

共感覚者が孤独なのはわかるような気がする。しかも同じ共感覚者同士でも対応する感覚が同じとは限らないそうだから。

であれば共感覚者である江口洋介と宮崎あおいの、さらに対応感覚が同じという奇跡的ともいえる出会いがもたらす幸福感を想像するのはそうむずかしくない。映画はその幸福感を美しいCGに仕上げていた。それは認める。

だけど、そうはいってもそれは入口でしょう。だって言語の意味が同じ対応であっても何てことないわけで。そういう世界に我々は生きてるんだから。そして映画でも共感覚者の言葉の対応には言葉を割り振っていた。これがちょっと弱い感じなのだ。

もっとも犯人の残した絵というか図形には音楽を感じると言ってはいたからそれだけではないのだろうし、出会いの確率だけ考えても二人の想いはもう止められないのだろう。それに何より、今書いたことは私が勝手に共感覚者をイメージしただけのものだし。

題材としては面白いと思う。ただこれをサスペンスにしてしまったのはどうだったかなと。石田ゆり子や松田龍平(特に彼)は空回りというか、余計な感じすらしてしまうしね。江口と妻(小島聖)との関係などもっと掘り起こせば、ってそれじゃ違う話になっちゃうか。

安藤政信はけっこう頑張ってました。

今日は映画を観ただけ。食事も持参のおにぎり。最初のが11:30始まりだったから、帰ったら19:30。


■2006.2.3(金) おはなはん
 

林謙一『おはなはん』読了(ちんたら読み)。

タイトルも口絵の写真もおはなはんだけど、それは1/5で、あとは著者の随想集(昭和41年発行)。というか随想集の一部におはなはんの話があるんで、要するに本はあやかり商法のたぐいなのな。

樫山文枝の連続テレビドラマの前に森光子の『おはなはん』があったことなどは知らなかったが、原作というよりは原案程度のもの。私にはそのあとの、道具魔、絵、車、銃について書かれているものの方が面白かった。

ま、時代は考慮しないといけないかしらね(逆に、時代が経ったことでの面白さはある)。「私が銃猟を覚えたのは昭和七年、今から三十年以上の昔のこと」と書く、英国銃を愛する明治39年生まれの著者は、機械銃を嘆き、「狩猟道地に墜ち、獲物の数のみを追い、銃の味を忘れている猟人が……」とのたまうのだけど、「鉄砲を撃つ本当の目的はといえば、鳥獣の犠牲において自分の健康の保持にあるともいえよう」という理屈は、もはや通用しないでしょうな。


■2006.2.2(木) デスクトップの整理
 

今日もひたすら、デスクトップの整理。で、やっとこ「ごみ箱」以外は3個までアイコンを減らすことができた。うち2個も消去の予定。

いやー、なんて清々しいんだ。って引き出し(フォルダ)開けたら……ですが。そっちも少しずつやりますから。

雨。沢山降ってくれたので、メダカの水集めで忙しい。


■2006.2.1(水) 気分の悪い電話
 

PCのファイル整理に手間取ったのは、Windowsの操作がわかっていなかったことが判明。Macでちょいちょいとできていたことが、できなかったんだけど、詳しくは恥ずかしいので秘密。あーばからし。

昼に、気分の悪い電話。電話の主は、昔は得意先、今は同業みたいなもの。だからよけい甘えてほしくない。少なくとも筋の通った聞き方の依頼であるなら、こっちだって何もそんなにけちくさいことは言いたくないんだが、最初からおねだりされたらいやになってしまうでしょうが。

私って意地悪だなー。でも礼節がなく、努力しないヤツは嫌いなの、ごめんね。あ、だけど、ヒントは沢山あげたんだよ、ほんと。これだけだって感謝されていいと思うんだけどなー。


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