錦糸町へ。楽天地シネマ8- 5で『ドミノ』(Domino)。
ドミノ(キーラ・ナイトレイ)はローレンス・ハーヴェイの娘なんだそうで、つまりこれは本当の話とか。それにしては事件の部分はかなり込み入っていて複雑。映画の作り方(構成も複雑なら映像も若者?向き)もあるが、それは「ほとんど(だったか)実話」だからで、相当作っているとみた。
鮮烈で過酷な人生を生きたドミノだが、画面を遊びすぎたせいか、そういう側面は伝わりにくい。事件のパズル解きに神経を使い果たしてしまって、ぐったりだ。
食事をしたら、福引きの券をくれたので、29日のと合わせて3回やる。100円×2と500円の金券が当たる。その時は何も考えなかったが、これってはずれが100円? 私がみんな当たるはずないからさ。だとすると500円ごとの福引きだから、かなりの出血サービスだが……。
池袋へ。東池袋から都電に沿って(道が迷路のようで、とても沿ってはいけない。ここらへんは忘れられたような商店街が残っている)春日通りに抜け、古本屋をのぞきながら、池袋東急へ。
『ブラザーズ・グリム』(The Brothers Grimm)は、CGに独特の感覚はあるものの、何が言いたいのかさっぱり見えてこない映画。
有名になる前のグリム兄弟(マット・デイモンとヒース・レジャー)という設定だが、二人はすでに除霊師として人気が高かった。が、それはインチキトリックで各地の村人を騙しては賞金を稼いでいたのだ、と話はかなり自在に創ってある。
映画が始まってすぐ、このインチキはあっさり暴露してしまうのだが、これで迷信の時代におさらばするのかというと、いやなに中身はまったくの魔物話。
呪いや魔物の存在を認めた上で魔物(鏡の女王)退治をするわけだから、魔物を否定していない弟が眠り姫の王子様になるところは納得なのだが、眠り姫役はどうしてか現実主義者の兄にもキスしてしまう。そういえば兄弟の幼児体験もわざわざ巻頭に入れる意味があったのかどうか疑問だし、ドイツを占領しているフランス軍の立場も微妙。
そういうことはおかまいなしに、適当にグリム童話を散りばめて、テリー・ギリアムが自分の趣味で創ってしまった。ってことはないと思うけど、まあそんな感じ。すべてが理路整然としていればいいってもんじゃないんだけどさ。
食事をすませ、ジュンク堂で時間調節し、テアトル池袋に行くが、読みが甘かった。15分前なのにすでに立ち見で、8階で切符を買ったあとの待ちの列が1階まで続いていた。降りてまたのぼって……。
上映時間が25分だから立ち見でもかまわないと思う客が多いからか通路もぎっしりで、これだけの立ち見状態は、いつ経験したか思い出せない。
舞台挨拶(今日は監督の粟津順にアニメ評論家の氷川竜介、イラストレーターの開田裕治)があるからかもしれないが、本編は25分なんだから、レイトショーでも2回は上映してもよかったのではないか。というか、これほど盛況になるとは誰も予想していなかったのかも(朝日新聞の記事のおかげもある?)。
あるいは、800円じゃなくて500円とか300円にして大々的に宣伝したら、昼でもかなり集客できたのではないだろうか。そのくらいの実験はしてほしかった。もっともテアトル池袋じゃ場所が悪いから、テアトルダイヤに移してフリの客狙いで。ダメかなぁ。
『惑星大怪獣ネガドン』は、SF好きにとってはたまらない作品だ。一人コツコツ2年がかりCGは、そう聞いた時点で頭が下がるし、事実細部を見ているだけでワクワクする。
昭和百年という設定が笑ってしまう。火星を地球化する計画が進んでいる科学技術があるのに、登場するのはレトロな町並みや小道具なのだ。巨大ロボットの電話?に通話中の文字がでるし、そこにかけている方のダイヤル式の黒電話機には「長電話はやめましよう」とあったりする。なるほど(何がなるほどだか)、それで昭和百年なのね。
話はもう少し工夫できたようにも思うし、いろいろなところに突っ込みを入れたくなるが、なんせ相手は一人コツコツ作品だからなー。ネガドンは怪獣というよりはメカっぽく、ミロク試作機二号にも個人的にはそれほどそそられなかったが、とにかくこの作者の情熱に、劇場も拍手の嵐で熱くなっていた。
いや、今日は暑いくらいだった(大げさ)。夜になっても寒くないなー、と思いながら帰宅 |